100人の仕事観

【中川電化ショップ 店主】中川敏和さん&【はるぼんず】大瀬晴紀くん

(写真左から)大瀬晴紀くん、中川敏和さん、ゆっけちゃん

中川敏和さんが経営する「中川電化ショップ」は、約50年もの長きにわたって地域に根づき、親しまれてきた電気屋さんです。

前の記事に登場したゆっけちゃんは中川さんの次女にあたり、ゆっけちゃんの「せるろいど焼菓子店」は、「中川電化ショップ」の中で営まれています。

 

かつて「中川電化ショップ」が開店した当時には、近所に住んでいた漫才師を呼び、店内にステージを設けて漫才を披露してもらったのだそう。また、オーブンなど最新の調理器具を宣伝するために、実演を兼ねたお料理会をたびたび開いて、沢山の人で店内が賑わっていたのだとか。

そんな賑やかな環境の中に育ったからこそ、お祭りのように大勢が集って楽しみを分かち合うことが自然と好きになったのだと、ゆっけちゃんは言います。

「はるぼんず」の衣装として使われているこの赤い法被は、「中川電化ショップ」が約50年前に開店した時に用意したもの。

約50年もの間、中川さんが積み重ねてきたお店の長い歴史の中には、やはり山もあれば谷もあり。取材中、家族さえも知らなかったエピソードが飛び出して、ゆっけちゃんが目を丸くする一場面も。

大瀬晴紀くんは、ゆっけちゃんの長男で中川さんの孫。元気いっぱいな小学6年生です。

カホンというペルーの打楽器を得意とし、母のゆっけちゃん、父の大瀬明さんと共にお茶の間ファミリーバンド「はるぼんず」を組んで、活躍しています。

Q1 あなたは今、どんな仕事をしていますか?

中川さん
 私は電気屋さんですけど、まもなく引退です。

晴紀くん
「はるぼんず」かな。今はカホンをしてます。座って叩く打楽器です。

Q2 今の仕事をしていて、やりがいを感じるのはどんな時ですか?

中川さん
 大きい現場の、ひとりではできないような場所を、私とアルバイトの人2~3人で行って、それを6ヶ月かかって完成させた時の喜びは最大ですね。
(具体的には?)新築工事です。総工費はすごい金額です。それを私ひとりとアルバイトの人で完成さす。それとか、お寺の全面改修工事。細い細い線しか入ってへんのを太い太い線に替えて、全館ゆうか何棟も、社務所とか礼拝堂とか本堂とか、線を全部引き直してそれを完成さしたときとかね。そんな仕事できるか、いうような仕事もやってきましたね。
 絶対放棄できひんからね。途中で、もうしんどいしやめるわ、とかできひんから、本っ当に大変ですよ。設計から施工までね。電気はほら、全部図面ひかんならん。それで関西電力に申請するんです。一応認可をもらわんなんね。この工事は安全やから大丈夫やって。
 責任がものすごく大きいです。事故起こしたらあかんから。そりゃ、穴掘りから建柱、色んなことやってきました。

晴紀くん
 特に楽しいのは、演奏してるとき。練習の時とかは疲れたりしてるからキツいけど、その練習を乗り越えたらいい未来が待ってるから。
 やりがいを感じるのは、最後にやりきってみんなに笑ってもらえた時かな。みんなに音を楽しんでもらわへんと。自分が楽しく演奏できるとみんなが楽しくなるから、自分が楽しくない演奏をしてもみんなは楽しくないから、そういうことに気をつけなければならない。

「中川電化ショップ」と「せるろいど焼菓子店」は同じ店舗で営まれています。北側の扉から入ると、「中川電化ショップ」。

南側の扉から入ると、「せるろいど焼菓子店」。

Q3 今の仕事をしていて、つらいと感じるのはどんな時ですか?

中川さん
 工務店の倒産。100万とか200万の仕事するでしょ。その後に倒産の申告。それがあると何ももらえへん。
 収めた商品は回収出来ひんわね、お客さんのもんになってるし。電工事代は全てもらえへんでしょ。ほなもう、それで商品やら入れたら200ぐらい損になるんですよ。そんなんが3件ほどありましたね。200万のロス。
 一番厳しいです、それ。アルバイトも使うてるでしょ?倒産したからお金払わへんわ、ゆうことはできひんね。上下で大損害です(苦笑)。せやけど、それも乗り越えてきましたから。うちが倒産せずに。

晴紀くん
 駅前とかでライブしてて、皆が振り向いてくれへん時とかつらいかな。聞いてくれる人は絶対ちょっとでも気にしてくれてはるから、嬉しいと思ってる。

Q4 今の仕事をする中で大切にしているのはどんなことですか?

中川さん
 やっぱり真心ですね。お客さんと工務店との間も誠心誠意努力して仕事するっていうこと。手を抜かないっていうことですね。手を抜いたら絶対出てきますもん。

晴紀くん
 まず自分が笑える音楽をみんなに届けるということです。自分が笑えないと人も笑えないから、人が笑ったとしても自分が楽しくやっていけへんかったら、それは自分の中でも意味がないと思うから、そういうことを気にしてやってかなきゃな、と思ってます。

「中川電化ショップ」の入り口扉には晴紀くんが描いたポスターが飾られています。

「せるろいど焼菓子店」のお菓子を町内(朱雀第4学区内)に届けるのは、晴紀くんの仕事なのだそう。

Q5 あなたにとって仕事とは?

中川さん
 生きがいですね。もうそれがなかったら出来ないですね。
 やっぱり大きい仕事をしたときですね。みんなに認めてもらえるということで。

晴紀くん
 ぜったい自分がしたいって最初思ったことをするのがいいと思います。あとあとしんどくなってきたらやめてもいいし、いつまでも楽しくできて色んなことができるんだったらいいかなと思うんです。
 ぼくも音楽楽しくなかった時はやめようかなーとか思ったりもしたけど、やっぱりしんどくなっても、また「楽しい」がやってきたからまだ続けられてるし、とかもありますね。

「はるぼんず」のPRをどうぞ

晴紀くん
「はるぼんず」は京都をメインに回っています。ちょっと大阪に行ったりとか、神戸に行ったりとかもしていますので、ぜひぜひ皆さん、出演してほしかったら言ってください。よろしくお願いします。

(Honda Smile MissionのYouTube動画ページより)

中川電化ショップ
 京都市中京区西ノ京西月光町6-9(御前御池下ル東側)
   ⇒地図
【アクセス】JR/京都市営地下鉄「二条駅」から徒歩8分
      京都市営地下鉄「西大路御池駅」から徒歩8分
      嵐電「西大路三条駅」から徒歩10分
【電話】:075-841-6366
【営業時間】9:00~18:00
【定休日】日曜日、祝日

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