人生で初めてワクワクした日のことを、あなたは覚えていますか。
欲しかったおもちゃを買ってもらった嬉しさ、小さな手に硬貨を握りしめて通った駄菓子屋さん、家族に連れて行ってもらった夏祭り。
胸を高鳴らせた幼い日の記憶は、いつまでも輝きを失わないものです。
そんなかけがえのない歓びを、千本三条の地で長年にわたりプロデュースしてきたのが熊本玩具です。
創業は、1954年。
室町小学校前の菓子問屋「熊本商店」からのれん分けした「熊本分店」がはじまりだったそうです。
当初は駄菓子の卸売のみを行っていましたが、創業からほどなくして玩具の取り扱いを開始し、やがて関西一円に得意先を抱える玩具問屋へと急成長。
事業拡大に伴って、久御山に大規模な玩具流通センターを開業(のち、株式会社クマモト設立)する一方、「熊本玩具」では景品玩具(数十円からの低単価おもちゃの景品)や玩具全般の販売・卸業として歴史を刻み続け、2008年、創業者の次男である熊本盛行さんによって株式会社熊本玩具が設立されました。
現在は、玩具の販売・卸業に加えて、京都限定キャラクター商品の開発や京都土産物店への卸業、さらに、民間企業や公共機関、地域の各種団体から依頼を受けてのイベント企画・出店も精力的に行っています。
今回取材させていただいた熊本さんは、根っからの子ども好きで、かつては保育士になりたいと望んだ時期もあったのだとか。
家業を継いで玩具に携わっていこうと決意したのは、父の得意先の夏祭りイベントで玩具の販売を手伝っていた16歳の頃。
玩具を買ってもらった子どもが笑顔になり、買った親もまた笑顔になる、そんな微笑ましい光景に心動かされた経験が原点にあると熊本さんは語ります。
その原点に改めて立ち返り、現在、熊本さんが力を注いでいるのが「笑顔創造プロジェクト」。
「モノ」としての玩具を販売するだけにとどまらず、玩具を通じて人と人とが笑顔で結ばれる「コト」を、社員と共に一丸となって創り出していこう、というプロジェクトです。
京都の伝統的な子ども行事である「地蔵盆」に古くから貢献してきた熊本玩具は今、子ども・ファミリー向けのさまざまなイベントの企画において、とりわけ圧倒的な底力を発揮しています。
熊本さんのプロジェクトは、失われつつある地域の子ども文化を守り伝えていくための挑戦でもあるのです。
株式会社熊本玩具の立ち上げから10周年という節目を迎えた今、どのような想いで仕事に取り組んでおられるのかをうかがってきました。
子どもたちの笑顔が最高の「利益」
―Q 仕事をしていて、やりがいを感じるのはどんな時ですか?
熊本さん:
社員とともに楽しく仕事ができ、子どもたちの笑顔がもらえた時に一番のやりがいを感じます。子どもたちに「楽しかった?」って聞くと、「楽しかった!ありがとう!」という言葉と笑顔が返ってくる。「これが一番の会社の利益だ!ああ、この仕事してきてよかったな~」と思いますよね。
時には結果に結びつかないことも
―Q 仕事をしていて、つらいと感じるのはどんな時ですか?
熊本さん:
それはやはり良い結果に結びつかなかったっていう時です。笑顔創造の面でも、商売的な面でも、思った通りの「モノ」や「コト」にならなかった時ですよね。「あの時、こうしておけば良かった」とか、「あそこをもう少し工夫すれば良かった」と反省することも結構あります。
でも、最初からやらなきゃ良かった、とは一度も思ったことはありませんけどね。
やりたいと思ったら、まずは挑戦
―Q 仕事をする中で大切にしているのはどんなことですか?
熊本さん:
やりたいな~と思ったら、とりあえずやってみる。やってみて、あかんなあ~と思ったらやめたらいい。何もやらずに後で後悔するよりも、まずはやってみること。やることで色んなことを経験していくのと同時に自分たちのモチベーションが上がっていき、次から次へと良いアイデアが溢れ出てきます。
「やりたいと思ったら、まずは挑戦する」という前向きな気持ちを大切にしています。
みんなを笑顔の輪に巻き込むことを目指して
―Q 仕事を通じて、どんな方にどんな幸せを届けたいですか?
熊本さん:
やっぱり子どもたちと子どもに携わっているご家族みなさんですね。子ども、親、きょうだい、そして、おじいちゃんおばあちゃん、家族みんなが幸せな気分になり笑顔になるように。
これらの幸せを届けようと思ったら、周りの人も巻き込んでいかなければいけない。それは町内だったり、団体であったり、地域だったり・・・。これに我々の「モノ」や「コト」が何かしらのお役に立てることができたら良いな、と考えています。
社員一丸となって楽しく創意工夫する社風へ変化
―Q あなたにとって仕事とは?
熊本さん:
実は、昔から「お金儲け」という言葉がとても好きでした。5人きょうだいで家族も多く、あまり裕福な幼少時代を過ごしてなかったせいか、お金を儲けて儲けて、それをガバッと使いたい。そんな仕事ができたら良いな~、なんてよく考えていました。実際、学生時代はバイト代をいっぱい稼ぎ、そのお金で後輩とかにバンバンおごったりしていました(笑)。
しかし、この5~6年前からその考えが少しずつ変わっていったような気がします。「お金儲けができたら良いな」と思いながら仕事をしていたはずなのですが、なにか「自分のしたいことってこれだっけ?」と、疑問に思うようになってきたのです。「自分は何がしたいのだろう?」と考えるとやっぱり昔を思い出し、「おもちゃで子どもを笑顔にしたい、その『コト』を創りたいな~」と思うようになったと思います。すると自然と少しずつ今のような仕事が増えるようになってきたのです。
また、お金儲けの仕事というわけではありませんが、自社の強みをいかした京都観光におけるビジネスも順調に伸ばしていくことができてきました。結果的に、やりたかったことが両方とも叶ってきたのかな、と、このように今は考えています。
これからも社員みんなと楽しく創意工夫しながらやっていきたいですよね。
―Q 仕事への考えが変わったきっかけは、どんなことだったのですか?
熊本さん:
会社設立当初から、それまでやりたかったことを自分一人でドンドンやっていきました。それらはどちらかというとお金儲けの方ですよね。もちろん、成功したこともあれば失敗したこともあります。
が、なんとか軌道にのってきたな~と思ってきたちょうどその頃です。
少子化、家電量販店やネット販売による競争激化といった玩具を取り巻く外部環境の変化から、熊本玩具の本丸である店舗売上がドンドン下がっていきました。そんな中、4年前の2014年6月に新社屋を竣工しました。
私の考えが変わっていったのはその頃からだと思います。初心に戻って自分たちのやりたかったこと、何が今の熊本玩具に足りないのか、これから何ができるのかを社員みんなで考えてやっていこうと決断しました。その時、一番にみんなの頭に浮かんだのはやはり「子どもの笑顔」でした。そのためには「自分一人ではできなかったことを社員一丸となって挑戦したい」という考えに変わっていき、どうせやるならみんなで楽しくやっていこう、という社風に少しずつ変わっていったような気がします。
「モノ」と「コト」で笑顔を創造していく会社
―Q 最後に、PRのお言葉をお願いします。
熊本さん:
熊本玩具は笑顔を創造していく会社です。「モノ」を売るだけじゃなくて、笑顔が出るような何かの楽しい仕組み「コト」を創っていきたい。それが我々の目指す会社です。一人で考えてもできないし、社員みんなで、4人5人集まったら色んな知恵が出て来る。これからもそういったいつも前向きなプロ集団であることを目指していきます。
うちの会社がどんなことをやっているのかを分かっていただけるように、いまホームページを作り直しています。ぜひ、詳しくはホームページを見てください。
株式会社 熊本玩具
京都市中京区壬生朱雀町2-13 ⇒地図
【アクセス】JR/京都市営地下鉄「二条駅」から徒歩5分
阪急・嵐電「大宮駅」から徒歩12分
京都市バス「千本三条・朱雀立命館前」から
徒歩2分
【電話】075-841-8265(代)
【営業時間】10:30~19:00
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